梅の花

中国の金農は、揚州で子のない男やもめとして暮らしていた60代の頃に画家、書家として名を揚げ、特に梅の花を描いた彼の作品は現地で人気を博しました。揚州八怪の一人として賞賛され、文人画様式を好んだ金農。旧来の慣習にはとらわれず、蘭、竹、菊、梅の花といった象徴的要素を盛り込んだ伝統的絵画を描き、特定のパトロンを持たず、オープンな市場で作品を売ることで独立性を保っていました。その後期の作品には、仏教的図像が主題として採り上げられています。

金農の絵画に対する革新的アプローチは、具象と抽象の領域の橋渡しをするもの。繊細な花をたわわに咲かせる枝ぶり豊かな様子から、芽吹く一本の若枝の控えめな優雅さまで、金農の表現は広範にわたっています。その作品を特徴づけているのは、絵画、書、印章の調和のとれた融合が生み出す、図像的クオリティの高さ。几帳面で活力ある特徴的な書体で書かれた画賛は、絵の深みと意味合いを強調するだけではなく、作品に更なるエネルギーと動きを与える視覚的要素としても機能しています。 

P.S. 中国絵画は、その独特のスタイルで知られています。中国の伝統的絵画について知っておくべきすべてのことはこちら！