ルネサンス期イタリアの旅を続けましょう。ヤコポ・リゴッツィはイタリアの画家、イラストレーター、デザイナー、細密画家です。今日紹介するのは美しい『女性の頭部』。見ての通り、パールの頭飾りをつけた、緻密に描かれた横顔です。
このドローイングが描かれたのは、リゴッツィがフィレンツェのメディチ宮殿に在職していた時期ですが、彼はそこに1577年に呼び出されました。リゴッツィは、トスカーナ大公フランチェスコ1世・デ・メディチの愛顧のもと、宮廷人たちの肖像画から舞台セット・タペストリー・家具のデザインまで、数多の芸術的な試みに従事しました。
リゴッツィの細密画家としての背景は、この横顔の極めて優れた詳細部に明らかです。影部分の繊細な網目状の描き込みから、流れるような髪、そしてモデルの頭飾りの複雑な描写の真珠まで。ペンとインクで描かれたこの絵には失敗できる余白がなく、几帳面さと当時の芸術様式の優美性、両者の実例となっています。
この女性は誰なのでしょう? 分かりませんし、きっとこれからも知る由はないでしょう。しかし私たちは、ルネサンス期に、素晴らしく、強く、知的な女性が何人も存在したことを知っています。彼女たちは自身の人生を抑圧する社会規範を乗り越えました。オンラインコース「フィレンツェ・ルネサンスの芸術」で彼女たちについて学べますよ。
P.S. 女性たちは世紀を通して大きな役割を担ってきました。画家として、ミューズとして、絵のモデルとして。こちらは、クイズ:この有名な女性たちを描いたのは誰でしょう? クリアできたら、ルネサンス・クイズにもトライ!