キリストの磔刑 by Fra Angelico - 1420–23年頃 - 63.8 x 48.3 cm キリストの磔刑 by Fra Angelico - 1420–23年頃 - 63.8 x 48.3 cm

キリストの磔刑

テンペラ、木、金 • 63.8 x 48.3 cm
  • Fra Angelico - c. 1395 - February 18, 1455 Fra Angelico 1420–23年頃

今日は「聖金曜日」。キリスト教において、イエス・キリストの磔刑と、カルバリでの彼の死を追悼する日です。聖週間のうち、復活祭の日曜の前の金曜に行われ、熟考、祈り、断食で、人類の罪のために犠牲となったキリストを追悼します。

特定の期間において、磔刑は西洋美術史の中心的な主題でした。今日はフラ・アンジェリコによる素晴らしい作品をご紹介。彼はドミニコ教会の托鉢修道士であり、初期ルネサンス期のイタリアの画家でした。ジョルジョ・ヴァザーリの「画家・彫刻家・建築家列伝」には、“類まれなる、完璧な才能”と記述されています。彼はまず始めに、フィレンツェのサン・マルコの自身の修道院へ制作した幻想的なフレスコ画の連作で評価を高め、その後ローマやその他の都市で活動しました。知られている彼の全作品は宗教的な主題です。

この初期作品は、おそらく個人的な祈祷のために制作されたようですが、キリストの磔刑のドラマが強調して描かれています。前景では聖母マリアが悲しみに崩れ落ち、マグダラのマリアとクロパの妻マリアも悼みながら彼女を取り囲んでいます。その後ろでは、ローマの兵士とその馬が十字架の周りで見張っています。キリストを凝視する者もいれば、互いに一瞥しあう者たちもいます。この革新的な円形の構図は、ロレンツォ・ギベルティによるサン・ジョヴァンニ洗礼堂のブロンズ製のドアにインスピレーションを受けたもの。空間的な奥行きと人間の感情表現の強調は、その後のフラ・アンジェリコの絵画スタイルを予言しています。

P.S. キリスト教における聖金曜日は、キリストの復活に向けた一週間にわたる準備の中の一部です。復活祭のお祝いのため、こちらに絵画で説明する聖週間のお話をご用意しました。