今日からロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館の特集月間がスタートします。同館の素晴らしいコレクションをお楽しみください!
アルブレヒト・デューラーは、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチなどの同時代のイタリアの画家と同様に、多才で影響力のあるルネサンス期の芸術家でした。オランダや北イタリアなどの各地を旅し、その途上で人文主義的哲学の原則と、初期ルネサンスの革新的芸術表現に出会います。特に木版画と銅版画で知られたデューラーの作品は広く普及し、他の芸術家に多大な影響を与えました。
1507年から1509年にかけてデューラーは、パトロンの裕福な織物商人ヤコブ・ヘラーのために、聖母被昇天と聖母戴冠を描いた大きなパネル画を制作します。それは、フランクフルトのドミニコ会教会の祭壇画の一部となるはずのものでしたが、残念ながらその祭壇画は失われてしまいました。ヘラーとの書簡から、デューラーがその作品の準備に1年以上を費やしたことがわかっています。画家は、様々なパートの習作を何点も制作していますが、それらはいずれも色紙に絵筆を用い、黒インクと黒を強調する白を使った手法で描かれています。これらの習作の内、20点が現存していますが、今日の有名なドローイングはその内の一点。この2本の足は、デューラーがヘラーの祭壇画の中央パネルの右下に描いた、ひざまずく使徒パウロの足のモデルです。右足にかかったマントの裾も見えます。
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P.P.S. 美術館の収蔵品には、有名な画家の作品でも、あまり知られていない意外な作品が隠れていることがあります。ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館のスタッフにお気に入りの作品について聞いてみました。スタッフが選んだ作品はこちら!