1775年の今日、イギリスのロマン派の画家、版画家、水彩画家のジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーが生まれました。表現力豊かな色彩、想像力に富んだ風景画、荒々しく、時として暴力的な海景画で知られたターナーが遺したのは、550点以上の油彩画、2,000点を超える水彩画、30,000点に及ぶスケッチ。彼は今日では、風景画を歴史画に匹敵する高みに引き上げた画家とされています。今日の作品を見れば、その理由は明らかです!
この作品に描かれているのは、おそらくスイスのルツェルン湖。画家の晩年の作品への関心は、その死後に高まりました。この作品がなぜアトリエに残されていたのかはわかっていませんが、目印になるようなランドマークが描かれていないことから、1851年(訳注:ターナーの没年)の時点では未完だったと思われます。ロンドンのナショナル・ギャラリーへの遺贈品の内の一点だった本作は、1932年まで公開されることはありませんでした。1966年にはニューヨーク近代美術館で開催された『ターナー:想像と現実』展に出品。この展覧会は、ロバート・マザーウェルやヘレン・フランケンサーラーなどのアメリカの抽象画家にターナーが与えた影響を確固たるものにしました。
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P.P.S. ターナーはイギリスで最も有名な画家の一人。ターナーとその芸術についてどれだけご存じですか?ターナー・クイズに挑戦してみましょう!以下のコラムでは、更に詳しい物語も紹介しています。