若い女性の肖像（グレタ）

スーズ・ロバートソン (1855–1922)は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した現代オランダの重要な画家の一人。 大胆な筆致、太い輪郭線、暗い原色の色遣いで風景画、静物画、肖像画を制作しました。悲しみと意志の強さを併せ持つ、謎めいた表情の若い女性の肖像画『グレタ』は、観る者の心を捉えて離しません。ロバートソンはグレタの肖像を何点か描いていますが、この作品では余分な要素をすべて取り去って、この女性だけに焦点を当てています。これによって、物思いにふける彼女の表情に目線が向かい、親密で情感豊かな肖像画となっているのです。画家は亡くなる年に、これまでの支援に対する感謝の印として、この作品をボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に寄贈しました。

今日の作品は、ロッテルダムにある同館の協力で紹介しました。